以前の記事『「実学」と「虚学」は、廃語になるべきである』では、実学と虚学という区分を批判し、その原因と推測される、日本国民の研究の区分への無理解について書きました。
この記事では、基礎科学、応用科学、そして工学の研究目的と道具の発明改良との関係を考えます。
加えて、しっくりくるような例えを考えてみます。
記事の内容
- 段階ごとの研究目的と道具の発明改良
- 改良の長い道のりとその先は?
- うまい例えは?
段階ごとの研究目的と道具の発明改良
この道具の発達は、人類の研究活動(創意工夫と試行錯誤)そのものである。
道具の発明と改良を、研究の段階に合わせて表にまとめた。
段階ごとの研究目的と道具の発達改良について。 |
表の上部は『「研究」と「開発」を考える―現場からの発想(斎藤 冨士郎)』よりの引用、表の下部は研究の段階と道具の発明改良の例(斧)。
ここでは、斧の原型である石器時代の石斧を例に挙げた。
斎藤氏の表に合わせて、石斧の発明を段階に分けた。
道具の発展は、素材の認識の後に、道具の開発、そして繰り返しの改良と大量生産へと発展する。
これは、基礎科学、応用科学、工学というそれぞれの研究目的である。
ここでは素材の認識を挙げたが、原理の認識も同等である。
改良の長い道のりとその先は?
上記の表では、斧の開発をシンプルに説明しているが、改良についてはもっと複雑で長い道のりだろう。
斧(Wikipedia)
上記の記事によれば、斧は紀元前6000年頃に誕生したという。
その初期には、棒と石器の素材の組み合わせ、棒と石器の接続方法、石器を鋭くする方法、などについて試行錯誤が繰り返されたはずである。
そしてやがて刃の素材が鉄に代わり、用途によって大きさが変えられ、棒の素材も木材から鉄、近年ではグラスファイバーの製品まで出ている。
素材(部品)の改良の大枠で言えば、テレビの進化(でっかいのから薄型へ)、中央演算装置の進化、有線の情報経路に加え無線の情報経路の発達、なども挙げられよう。
特に電子的な部品の進化は著しい。
約20年で随分とちっちゃくなったねえ。 pic.twitter.com/jd6EidzDb2— ゲーム探偵団 (@game_tanteidan) 2018年12月7日
また、単純な素材(部品)の改良にとどまらず、道具の機能が統合される事もある。
この統合例は、単純な道具では十徳ナイフであり、複雑な機械ではスマートフォンである。
このように、道具を改良する過程では基礎研究と応用研究の相互あるいは並行の進展が起きている。
また、一つの道具に限らずとも、基礎研究と応用研究が絡み合った発展も歴史上はしばしば起きる。
私の知識不足のためにここでは挙げなかったが、薬も人が生きるために重要な道具の一種である。
私は、農産畜産海産物を道具と呼ぶ事には抵抗がある。
うまい例えは?
説得工作に使える分かりやすい例えを考えたいが、私には無理でした。
「その基礎研究、何の役に立つの?」「役立つ基礎研究をしろ」等の誤認識への対処案。
精肉店でウェルダンステーキを出せと言う客がいるかよ ( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン
農家は穀物野菜を生産するが、皆が美味しいコーンポタージュを作る訳じゃねえぞ ( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン
未来予知してから言え ( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン
自分たちの利益のために大学を食い物にすんな ( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン
給料と研究費と運営交付金を上げろ ( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン
果報は寝て待て ( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン
仔猫かわいい ( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン
にほんブログ村
情報科学(計算機科学) ブログランキングへ
0 件のコメント:
コメントを投稿