基礎科学の研究志望者向けの内容です。
この事については研究者の経験を積むなかでに徐々に理解は進みますが、大学院では明示的に教えられていない内容です。
論文は情報の伝播経路であり、知識体系を形作るブロックそのものです。
このような論文の比較対照に、口頭での情報交換である議論を取り上げます。
知識体系の成長サイクルにおいて論文が重要だという根拠は、次の3点です。
- 論文中の情報はよく整理されている。(議論はその場の思いつき)
- 論文なら、時間と空間が離れていても情報を伝達できる。
- 視覚から得られる時間あたりの情報量は、聴覚から得られる時間あたりの情報量より多い。
個々の研究では議論も有益です。
しかし、知識体系の構築については、間違いなく論文が重要です。
この記事では、論文の重要性が学問全体に共通と考え、単に「知識体系」と書いています。(筆者には学問全分野の研究経験はありません。
本記事の内容。
- 知識体系の発展
- 論文と議論で伝搬する情報の質の違い
- どれだけの人に読まれるか?聞かれるか?
- 視覚と聴覚による単位時間あたりの情報量