最近の記事中で、マクロ経済学とミクロ経済学の関係についての言及が増えたので、ここにまとめる。
1. マクロ経済学とは貨幣循環である。Y=C+G+Iと循環フロー図とY=MVより、M=G+I、V=1/(1-β)。(【貨幣循環】貨幣循環導入の3点セット)
2. 数量方程式(フィッシャーの交換方程式、MV=PQ=∑mv=∑pq)は、マクロ経済学(貨幣循環)とミクロ経済学(各市場の働き)を接続している。(【貨幣循環】拡張された数量方程式、フィリップス曲線、マクロ経済学とミクロ経済学の接続)
3. もし、現代経済学が主張するように、マクロ経済学が「需要と供給の均衡」によって説明できるのなら、このマクロ経済学は正しく「ミクロ経済学の拡張」である。「需要と供給の均衡」という基本原理のもとで、マクロ経済学とミクロ経済学という区分は必要ない。しかしこの場合、財市場や労働市場の均衡を仮定した分析から得られる、例えばY=AG+BMという式は、現実の貨幣循環を記述できている必要がある。(【貨幣循環】拡張された数量方程式、フィリップス曲線、マクロ経済学とミクロ経済学の接続)
4. マクロ経済学における貨幣と労働力と資源の三種類の循環を考えると、ミクロ経済学における市場の「需要と供給の均衡」という定性的な価格と販売数量の変化の説明は、定量化されるべきである。そしておそらくは省略されるべきである。(【貨幣循環】貨幣と労働力と資源の循環、および需要と供給の定量化)
「需要と供給の均衡」を重視する経済学に慣れ親しんだ人々は、ここに書いてある事が許容できないでしょう。これらの記述を否定する事は簡単です。「1」の、Y=C+G+I と循環フロー図と Y=MV の統合から得られた、M=G+I と V=1/(1-β) を否定すればよいのです。
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