ポエム風の独り言です。
「人の命に軽重は無い」という言葉がある。
人の命を客観的に見る事ができるなら、確かに軽重は無いだろう。
皆、生まれて、そして死んでいく命である。
人であれ、動物、昆虫、植物であれ、失われない命など無い。
特に人の持つ個性と才能の多様性を考えれば、みな、惜しまれるべき可能性がある。
寿命以外で死んでしまった人は、生きていれば、他の誰かを笑わせたかもしれない。
他の誰かを傷つけたかもしれない。
この言葉は確かに真理である。
しかし、我々人間の主観が入ると、この言葉は無価値なものとなる。
遠い星の光の瞬きと同じで、あっても無くてもいいものになる。
ここでいう人の主観とはつまり、大事な人がいる、という事である。
大事な人がいるという事は、つまり他の人々は相対的に「大事ではない」という事である。
この大事の意味は、愛情であったり、忠誠であったりする。
映画のように、切迫した状況で選択を迫られるという事は、現実では「まず無い」。
だが、交通事故で死ぬ人が毎日一定数いるのと同じように、選択を迫られる状況は、どんな人にでも起き得る。
そのような時に、我々は優先順位を決め、なんらかの選択をする。
例えば、一つの優先順位は、震災における治療の優先順位である。
あるいは、自分の関係者の命を助けるために、他人の命を奪えと命令されるかもしれない。
人の命に軽重は無い。
ただし、人には、命の優先順位を決める場面が訪れるかもしれない。
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2016年5月23日月曜日
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