2026年4月27日月曜日

【経済学】【GDP予測_03】貨幣循環に基づいたGDP計算アプリ, Ver1.0.0

 Google Play:GDP計算機(貨幣循環由来)

ソースコード:gdp_app_1(GitHub)


GDPの計算アプリを作成しました。現在の機能は、以下のみです。

  1. 月単位でM=G+Iとβを入力し、年間のYを計算する。
  2. 月単位のYのグラフを描画する。


この記事では、アプリのQ&Aページに書けなかった項目を中心に、アプリについて説明します。

  1. 貨幣循環をアイコンへ。
  2. 日本と米国の平均消費性向βの推移。
  3. 12ヶ月分の逐次計算。
  4. 年単位の成長率のズレ。


1. 貨幣循環をアイコンへ

このアプリでは、以下の画像をアイコンに採用しています。


この画像は、このブログでおなじみの、政府と銀行(金融市場)を加えた貨幣循環フロー図をデザイン化したものです。


各要素を小さな円で表現し、大きな円は貨幣循環を示しています。結果として、なにかのキャラクターのようなアイコンになりました。次の図は、アプリのフィーチャーグラフィックです。アイコンに重ねられた青と赤の実線は、貨幣流を測定するための断面を示しています。


2. 日米のβ(平均消費性向)の推移

経済の最重要パラメータの一つが、β(平均消費性向:所得のうちどれだけを消費に回すかの割合)です。ここに、国ごとの経済の個性がはっきりと表れます。以下は、日本と米国のGDPから求めたβの推移です。ここでは、Y=C+G+Iと定義しています。


グラフを見ると明らかなように、歴史的にアメリカのβは日本よりも高く推移しています。これは「稼いだらしっかり使う」という経済体質を示しています。一方の日本は、将来への備えからかβが相対的に低く抑えられがちです。

強調したい点は、この平均消費性向βは「年変動が激しくない」ということです。1960年以降、CもGもIも桁単位で増加していますが、その間のβの値は、例えば0.1から0.9の間で激しく変動するようなことはなく、日米ともに「安定した値(の変化)である」と言えます。

以下ではアプリの計算手法を説明します。βの値については、これらの推移を参考にして下さい。


3. なぜ「12ヶ月の逐次計算」なのか

なぜ月単位の計算なのかといえば、現在の日本や多くの先進国では、月給制で給与が支払われることが多いからです。これは、客観的に見て非常に説得力のある理由でしょう。

現代マクロ経済学では、GDP予測モデルは「需要と供給の均衡」を元にした数式によって説明されます。しかし、これはある意味で「静止画」の世界です。ある期間(1年間)の閉じた系の数式群は、その期間の平均値を求めるためのものです。そしてこれらの数式群の時間微分によりGDPの平均的な成長を予測します。

したがってこの計算手法では、原理的に、ある期間の入力値が次の期間に影響を与えることはありません。

一方このアプリでは、動的な貨幣循環の描像のもとでの循環する貨幣量を計算します。非常に単純な描像です。このアプリでは、循環する貨幣流の測定を「1ヶ月ごとの逐次計算」で実施します。「今月の収入が来月の消費を生む」プロセスを12ステップで計算します。この計算からは、経済政策が即効性を持つわけではなく、時間をかけて波及していく様子が視覚的に理解できます。

月単位の計算よりも、より短期間の週単位、日単位での計算が可能になれば、国内経済のより繊細な動き、滑らかな推移が見えてくるでしょう。これは少し先の課題です。現状で公開されているGDPのデータは、年単位から四半期単位のものです。このような状況では、月単位の計算でも人々の認識を変化させるために十分効果があると判断します。


4. 月単位の貨幣循環が導く「年間成長率のズレ」

この月単位の逐次計算の実装により、非常に示唆に富む結果が浮かび上がります。それは、「年単位の政府と金融市場(銀行)からの資金注入の成長率と、GDPの成長率にはズレが起きて当たり前である」ということです。

期間内の閉じた系を想定する静的なモデルでは、M(=G+I)を増やせば同じ割合・同じタイミングでYも成長するように錯覚しがちです。しかし、月単位で貨幣が循環する描像で考えてみてください。例えば、年の後半(10月や11月)にMが大きく増加したとしても、その資金が社会を何周も回って乗数効果を発揮するには、年内の残り期間が短すぎます。その結果、その年のMの総量(成長率)は高くても、Yの成長率はそれに追いつかないという現象が発生します。そしてこの場合、翌年のMの成長率を低く設定しても、Yの成長率は大きくなると推測されます。この成長率のズレは、貨幣循環を月単位で捉えることで初めて見えます。

加えて大事な事実は、Yの成長率が効果を発揮するタイミングがズレたとしても、その成長率は次の期間内で測定されるだけで決して消失しない、ということです。したがって、1年間よりも長期の平均的な成長率を計算すれば、MとYの成長率は必ず近い値になります。これは、政府支出の成長率とGDPの成長率の正比例関係の定性的な説明です。


(文章原案作成に生成AIを使用しました。)

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