これから修士論文を書き始めようと考えている人へ知っておいて欲しい6つこと(ならず者で行こう)
研究の進め方について、自分の時はこうだったな~という覚え書き。
業界や研究手法によっても違いはあるので、そこは参考までに。
私はデータ解析メイン、シミュレーションもどきも行いました。
研究にかける時間や、発想は個人に依存しますが、研究の進め方については技術的な面があります。
ここではログ、バージョン管理、バックアップをとりあげます。
研究室で指導するところもあるでしょうが、参考にどうぞ。
ログをとれ!
研究が試行錯誤の積み重ねである以上、ログ(研究日誌)は絶対に必要。
博士課程を含めた大学院の5年間で色々な事をやるはず。
なにをやったかいちいち覚えておく事はできない。
「こういうプログラムを作った、こういうパラメータを使った、こういう結果が出た」、ログをとっておけば、これらを覚えておく必要は無い。
私のログは単なるテキストファイルで、研究テーマごとに作成した。
ログは、日付は当然として、作ったプログラム名、その内容、得られた結果についての簡素な内容だった。
私の場合、プログラム名に 研究テーマの略語+連番 という形式(例、???01.f90)を採用していて、200以上の連番のプログラムを作った事もある。(主張したい事は、私プログラムたくさん作ったでしょ!ではなく、こんな多くのプログラムの内容覚えきれねーよという事。)
進行中の研究なら、「あれは一月以上前にやったっけ?」みたいに内容を思い出せる事もあるが、半年前とか数年前の研究の記憶を掘り起こしではそうは行かない。
このために、簡単に検索のできる電子的なログは非常に有効。
例えば、解析プログラムを(ちょっと書き換え)再使用する必要がある時には、電子的なキーワード検索でプログラム名を絞る事ができて非常に助かる。
ログを書く頻度は毎日。
バージョン管理、バックアップはこまめに!
前日に作ったプログラムのパラメータ変更などは、プログラム名を少し変えるなどのバージョン管理でログをとっておこう。
現在のディスク容量は十分に大きく、クラウドサービスもある事から、プログラムや結果のバックアップはこまめにとる事が可能である。(大規模3次元流体は無理やろけど)
ログファイルやプログラムだけでなく、容量が許せば、画像や計算結果の生データもバックアップをとっておきたい。
自分のPCだけで研究を完結させる人なら、外部HDなどに同期をとっておくか、1日の終わりにコピーしておくべきである。
研究に疲れ果てて1日が終わる事もあるだろうから、バックアップは手動でなく可能なら自動で。
特に学位論文!
ログ、バージョン管理、バックアップは、特に学位論文の際に命綱となります。(語尾変更)
一般の論文と異なり、厳密に期限の定められた学位論文で失敗すると、次のチャンスは半年後、一年後です。
失敗の精神的ダメージは大きいですし、この半年単位の時間は経済的にも大きな影響をもたらしかねません。(就職とか)
しかも、学位論文の作成は、修士論文・博士論文ともに未経験の文章量(作業量)です。
この未経験の作業を成功させるために、ログ、バージョン管理、バックアップは重要な役割を果たします。
ログは、文章を書き出す時に役立ちます。
すでに論文を投稿しているなら、既に役立っていたでしょう。
バージョン管理は、文章の改訂時や、学位論文全体のスタイル変更時に役立ちます。
個人的には、進行の区切りをつける事で、学位論文執筆という困難の中での一安心になりえます。
私の時は、章内である程度進行すればバージョンを0.0.1上げて、1章(1テーマ)書いたらバージョンを0.1上げて、という感じでした。
バージョン1.0がとりあえず全体ができた状態で、そこから改訂していきます。
バックアップは命綱そのものです。
HDやSSDは一般に5年は機能すると言われていますが、これは平均値であって、貴方のそのHDは明日壊れるかもしれません。
HDが壊れて、学位論文を0から再度書かなければいけないとしたら、締め切りに間に合うかどうか、それまでに書いてきた本人が一番良くわかるでしょう。
現在の大学院生活では、研究結果を出すためにギリギリの期限で学位論文を執筆しますから、バックアップが無ければ論文を再度書ききる事はまず不可能です。
バックアップがあったとしても、内蔵HDを購入して、計算機をセットアップし、内容を復元するといった時間は0ではありません。
学位論文執筆の際には、日々のバックアップは必ずとりましょう。
(締め切りで急いでいるのに、博士論文を5部印刷しようとしたらプリンターの調子が悪くなるのも良くある話です。HDやプリンターのトラブルはいくらでも起こりえます。)
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