この記事の主張は二点。一点はフィリップス曲線について、もう一点はマクロ経済学(貨幣循環)とミクロ経済学の接続について、である。
拡張された数量方程式からは、収入のインフレ率(年変化率)と就業者数の年変化率がペアの変数として得られる。理論的根拠のない、物価のインフレ率と失業率の関係を議論するよりも、数量方程式によって導かれた収入の年変化率と就業者数の年変化率の配分を研究すべきである。
この収入の年変化率と就業者数の年変化率の配分のメカニズムについては、少なくとも今の筆者の理解では、貨幣循環で描像できない。これはミクロ経済学の領域である。拡張された数量方程式(MV = PQ = NO = PSN')は、マクロ経済学とミクロ経済学の接続を示している。