2022年4月27日水曜日

【電子書籍】マクロフロー経済学 A1 科学者と技術者が経済学を学びそして駆逐すべき理由

マクロフロー経済学 A1 科学者と技術者が経済学を学びそして駆逐すべき理由

Macro-Flow Economics A1 Why Science and Technology should reject Economics


GooglePlay, GoogleeBooks、販売価格:無料


 本書の対象読者は科学者と技術者である。本書では、過去に天文学や医学において繰り返されたように、経済学においても科学が思想を駆逐するべきだと主張する。第2章では、経済学における知識体系構築の特徴を経済思想のもとに説明する。第3章では、数式を使って貨幣循環と名目GDPを説明する。

 本書の「経済学を駆逐すべき理由」とは、経済学が進展しない事に尽きる。その原因は経済学の研究方法が非科学的であり、そのさらなる原因は経済学の前提に経済思想があるからである。少なくとも日本では確実に、科学技術の発展による大多数の国民の幸福を阻害しているのは経済学である。

 経済学者たちは、経済学が進展しないという事に異を唱えるだろう。しかしそれは動かしがたい事実である。過去100年間、あるいは直近の過去30年間、科学技術は人々の生活を劇的に変えてきた。ここ30年間ではインターネットによる情報の共有と活用が最も目覚ましく、そして電気自動車などの技術進展もそこかしこで見られる。企業は売上を伸ばすためにインターネットをはじめとする科学技術を活用している。

 では経済学はどうだろうか、過去30年間でどれほどの進展があっただろうか?過去30年間の日本経済は停滞しており、そしてそれは経済が好調な各国に対しての相対的な衰退である。経済学は日本経済にどんな貢献をできただろうか?経済学は、日本の経済政策が明確な誤りであるという事を(あるいは他国の経済政策が正解である事を)数字によって客観的に説明できただろうか?答えは「できていない」である。

 現在の経済学は本当に何も進展していない。経済学者は経済学を科学的だというが、それは全くの誤りである。科学の原理である「仮説と検証」のプロセスを回していれば知見は積み重なる。しかし経済学は何も積み重ねていない。名目GDPを成長させる方法すら不明なままである。この経済学の現状、経済思想を前提にして自分たちの正しさを主張し合うだけの現状が、「科学者と技術者が経済学を学びそして駆逐すべき理由」である。

 第3章では、フロー循環図、GDPの定義、そして数量方程式の3点セットを統合して、貨幣循環の中での名目GDPを数式で表現する。M=G+Iであり、V=Y/(G+I)である。この貨幣循環についての理解は、旧来の貨幣数量説と著しく異なる。



第1章 導入

第2章 経済学と思想

 2.1 経済学者の研究方法

  2.1.1 研究方法の特徴

  2.1.2 経済学とは思想である

  2.1.3 マンキュー経済学

  2.1.4 現在の経済学が構成された理由

 2.2 経済学を科学技術に

  2.2.1 科学的手法

  2.2.2 科学技術は経済学を変えられるか?

第3章 貨幣循環

 3.1 貨幣循環の定量解析

  3.1.1 数量方程式のV

  3.1.2 3点セット

  3.1.3 3点セットの統合

  3.1.4 解釈、二種類の貨幣流

  3.1.5 貨幣循環の実態

  3.1.6 貨幣循環による説明

  3.1.7 仮説の展開

  3.1.8 旧来の貨幣数量説との違い

 3.2 貨幣循環研究の動機


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