2019年5月29日水曜日

主語が長い悪文の例

この記事では、主語が長く理解しにくい悪文の例を紹介します。

人間は、主語が長い文よりも短い文をより容易に理解できます。

このため、報告書や論文、どんな文章においても主語が短い文は好まれます。

この事は科学英語論文指南の書籍でも見受けられますし、「日本語の作文技術(本多 勝一)」でも指摘されていたような(ぼんやりとした記憶)。

この事を指摘している記事は他にもあり、例えば、「第12回 後方重心型センテンスの薦め(一歩先をゆく魅せる「英語」)」などがあります。


今回の例は、「The Art of Readable Code」の裏表紙の冒頭の文です。(フリーな英文PDFなら2ページ目)







<改善前>
Being aware of how the code you create affects those who look at it later is an important part of developing software.

作成したコードが後で見る人にどのような影響を与えるかを認識することは、ソフトウェア開発の重要な部分です。(GOOGLE翻訳)



<改善の一例>
One important in developing software is to imagine how the code you create affects those who look at it later.

ソフトウェアを開発する上で重要なことの1つは、作成したコードが後で見る人にどのように影響するかを想像することです。(GOOGLE翻訳)



色付けした部分が主語(主句)です。

主語は、改善前の英文は15単語から構成され、改善後は5単語で構成されています。

単語数の差は明らかです。

改善後の文は、単語数が少ない事から主語を認識しやすく、「この主語に相当するものは?」と考えながら補語に相当する is 以下を読む事ができます。

一方、主語の単語数が多いと「この先はどうなっているんだ?」と疑問を感じながら読む事によってストレスを感じます。

今回は一つの文だけを例に挙げましたが、文の集合体である文章となるとこの差は歴然です。

また、日本語の訳文も見比べると、主語を短くする事の有効性を同じように感じるでしょう。

今回の例文は文構造としてはSVCであり、改善前と改善後、SとCを入れ替えても情報としては変わっていません。

ただ、これらの文には読みにくい読みやすいの差が存在します。

(この差は我々人間の脳機能に依存しているはずですが、、、。)



ちなみに、SVOで主語が長い場合、私は受身形で処理します。

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